キャリア理論って誰のモノ?② #キャリア的視点 549

こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは昨日に引き続き「キャリア理論」です。

昨日の記事の最後に書いた様に、「キャリアコンサルタントがキャリア理論を学ぶのは、相談者さんのその時その時の悩みに合わせて、有効な展開を処方するため」なのです。言い換えれば、キャリア理論はキャリアを意識している一人ひとりのモノなんだと思うのです。
そしてそれは専門家たるキャリアコンサルタントに任せていても問題はありませんが、どうせなら自分でも知っていれば何らかの役にも立つでしょう。

さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は3~5分です。

前回の記事ではスーパーとホランドの最もメジャーな理論を簡単にではありますが紹介していきました。今日はクランボルツとシュロスバーグです。

ジョン・D・クランボルツ

最初に断っておきますが、氏の名前は訳し方によって「クルンボルツ」と書かれることがありますが、ここでは「クランボルツ」で統一させていただきます(私も最初よく混乱していました^^;)。ご了承ください。

ジョン・D・クランボルツの理論は、職業選択やキャリア開発は「とどまることのない学習プロセスの結果」だという事です。要はキャリアとは死ぬまで学習し続けること、と言えるのだと思います。キャリアとは人生を通じて開発し続けるものであるのです。

基本的な考え方として、

  • 先天的な資質   … 遺伝的な特性を始め、自分では変えることのできない要因の為、受け入れることが出発点。
  • 環境条件や出来事 … 無数の社会的(政治など)・文化的(性別による考え方など)要因からも影響を受ける。これも自分では簡単に替えられない為、受け入れることが出発点。
  • 学習経験     … 各人の学習経験。
            道具的学習経験:人に褒めてもらう等のせいの強化を受けるとその意思決定プロセスを続け、逆に叱られた(正の罰)りすると意思決定プロセスを放棄する。
            連合的学習経験:感情的には中立だった出来事が特定の感情と結びついた時に起きる(例:怪我から回復したことで意思を目指すようになる)

しかし、クランボルツの最もメジャーになった理論と言えば「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」だと思います。
「偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、かつ望ましいものである」というものです。予測していなかった出来事をチャンスと捉えることで、自身のキャリアをより望ましいものに変えていこうという、なんともポジティブな感覚のある理論です。

そのために必要なのが、

  • 好奇心 … 新しい学びの機会を模索せよ。
  • 持続性 … 失敗に負けずに努力し続けよ。
  • 柔軟性 … 姿勢や状況を変えよ。
  • 楽観性 … 新しい機会は必ずやってくる。そしてそれは自分のモノにできる! と考えよ。
  • 冒険心 … 結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ。

5つのスキルを使って「プランド・ハプンスタンス」を創り出すことが、正に相談者さんの「人生の質」を深めることに繋がるのだと云います。

ナンシー・K・シュロスバーグ

シュロスバーグと言えば「転機」です。人生には大小合わせればとんでもない量の転機がありますが、シュロスバーグの「4S」はその中でも本人の望まない転機の乗り越え方を説明しています。

まず「転機」を簡単に分類すれば以下の3つに分かれます。(一つめと三つめは同じ「event」と呼ばれます)

  • event 予定された出来事が起きること(大学を卒業する・結婚する・子どもが生まれる)
  • non-event予定していた出来事が起きない事(大学受験に落ちた・結婚相手が見つからない・子どもが授からない)
  • event … 予測していなかった出来事が起きること(家族が事故死した・災害にあった)

「何かが起きた」という点では同じなので、❶も❸も同じEventになります。

これらを受けて、私たちは以下の変化を余儀なくされます。

  • 役割 人生の役割の内どれかが亡くなるか変化する。
  • 関係 人との関係性が強まったり弱まったりする。
  • 日常生活 物事をいつ、どのように行うかが変化する。
  • 自分自身の捉え方 自己概念(自分とは、という考え方)が影響を受ける。

シュロスバーグは自分が望まない転機に見舞われた時、冷静にその転機を分析することが、それを折り切る第一歩だと言います。正直なかなか難しい事だと思いますが、冷静さを欠いていては、いつまでも状況を変えていくことは難しいです。
ここからが「シュロスバーグの4S」と言われるものの本体です。

第一段階:リソースを点検します。
①状況(Situation)転機を冷静に評価する。その影響の深刻さタイミング持続性、そして自身はその手にをコントロールできる立場にあるのかを考えます。
②自己(Self)自身の活用できる内面的な資質を探ります。
③支援(Supports) … 外部(親・社会)の支援はどの程度期待できるのか。
④戦略(Strategies)状況・自己・支援を把握したうえで可能な対処を考え、実行する。

第二段階:変化を受け止める。
起こった転機を否定するのではなく、積極的に受容して受け止めていきましょう。

シュロスバーグの転機の乗り越え方は、ちょっとした転機にも有効ですので、ぜひ覚えておくと「いざ!」となった時に役に立つと思いますよ^^

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続きはまた明日の記事で、ハンセンとサビカスを紹介していきます^^

個人の活性化を組織の活性化に繋げます。

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