キャリア理論って誰のモノ?④ #キャリア的視点 551

こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「キャリア理論」です。

これまで6人の理論家とその代表的な理論を私なりに解説してきました。いよいよ「エドガー・H・シャイン」の番です。彼は2021年12月2日現在、93歳という高齢ながらも存命で、私たち日本のキャリアコンサルタント達も多くの方が現地で講演を受けるなどをした方で、実際にあってきた人からは「シャイン先生!」と呼ばれるほどに慕われている方です。
私自身はお会いしたことはありませんが、今日はそのシャイン先生をご紹介したいと思うのです。

さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は3~5分です。

エドガー・H・シャイン

ここからはあえてシャインと書いていきます。彼を慕う皆さんからは「失礼だ!」なんてツッコミも覚悟しておきます^^

元々は「洗脳」についての心理学的研究をしていたのが、ビジネスの世界で「企業という組織がその様にしてその考え方を個人に教化(洗脳)するのか、という興味からキャリア理論を展開するに至ったといいます。

彼は実に多岐に渡る理論を構築しています。時系列も含めていかにリストアップします。

  • 組織と個人のニーズの調和過程
  • キャリアコーン
  • キャリア・サイクル
  • キャリア・アンカー
  • キャリア・サバイバル(職務・役割の戦略的プランニング)

今回は私が個人的に好きな二つを代表的に紹介しようと思います。

キャリア・コーン

コーンとは円錐形の事をいいますが、この「キャリアコーン」とは別名「組織の三次元モデル」と呼ばれているものです。
日本でいうところのキャリア開発は、とても残念ながら②の「職階」でしかありません。だからあっという間に行き詰ってしまい、キャリアプラトーに陥ってしまいます。

下の図で見て取れるように、キャリアには3次の軸があり個人のキャリアは①職能、②職階、③中心化で考えることがでいるというものです。

キャリアコーン

これを見た時の衝撃は、私的にはなかなか激しかったのです。当時はそれまでは自分が「培ってきた職で昇進する」という②しか考えたこともなかったですし、部署異動というものもキャリアアップに繋がるんだと感じたのは本当い衝撃的でした。

キャリア・アンカー

シャインの他の理論の内、次に紹介するのは「キャリアアンカー」です。
これは仕事に対する価値観の様なもの、と考えて頂ければ良いのではないでしょうか。又は仕事に関するアイデンティティでも通じるとは思います。要は仕事をしていく上で何を大切にしていきたいのか、それを8つのアンカー(錨:船が波に流されないための重り)、つまりどんなに仕事を変えても、状況が変わっても個人のキャリアの基軸になるものといった意味合いです。

  • 自覚された才能と能力
  • 自覚された動機と欲求
  • 自覚された態度と価値

個人はキャリア・アンカーを開発することで、本当の自分を知り自分らしいキャリアの歩み方を考える材料とすることが可能になります。自分自身の姿と持ち味(強み)を明確に把握し、将来の抱負を探索することができるというのです。

  • 専門・職能的コンピタンス … 得意としている分野での能力発揮に満足感を覚える。
  • 全般管理コンピタンス … 責任ある立場にあり、自身の努力によって組織の成功に寄与する。その上で高い報酬を得る。
  • 自律・独立 … 組織の規範などに束縛されず、自分の納得する仕事をする。
  • 保障・安定 … 将来を予測でき、ゆったりとした気持ちで仕事をしたいと思う。
  • 起業家的創造性 … 自分で新しい組織・製品・サービスを生み出していく
  • 奉仕・社会貢献 … 何らかの形で世の中をもっと良くしたい。
  • 純粋な挑戦 … 不可能と思えるような障害を克服する。解決不能と思われてきた問題を解決する。
  • 生活様式 … 個人・家族のニーズをうまく統合したい

この8つが現在発見されているキャリア・アンカーです。仕事を始めて10年くらいたってやっと自分の中で見つかっていくものというように言われていますから、大卒で就業したとしても30代前半でやっと気づき始める、といったところでしょうか。

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今回はシャインのキャリアコーンとキャリア・アンカーをざっくりと紹介しました。次回はニューキャリア理論としてバウンダリレスキャリアとダグラス・T・ホールのプロティアンキャリアをご紹介してみたいと思います。

個人の活性化を組織の活性化に繋げます。

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