25万人に一人! ピット・ホプキンス・シンドローム #キャリア的視点 672

こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「ピット・ホプキンス症候群」です。

ピーターパンにはモデルがいるらしい、って話は聞いたことはありますか? それが『ピット・ホプキンス症候群』の少年じゃないかと言われています。
このピット・ホプキンス症候群というのは遺伝子に起因するもので、現代では重度の知的・発達障害などを起こし、また様々な疾患を併発します。
それが25万人に1人とも言われる『ピット・ホプキンス症候群』です。

さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は4~6分です。

歴史と症例

ピット・ホプキンス症候群というのは、先述の通り遺伝子的な問題による症状です。遺伝子欠失型で10万人に9人、遺伝子変異型(valiant)で25万人に1人の頻度と言われているほどに非常に珍しい疾患で、全く認知もされていませんが、先日、日本でも難病指定になった【染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群】に含まれています。

先にお断りしますが、ご両親の遺伝子に問題がなくても、精子・卵子が作られる過程の中で、また受精直後の細胞分裂の中でなのかは分かりませんが、起こりうる遺伝子疾患です。つまり1/250000の確率でどんな家庭にも起こりうるものです。実際に私にも妻にも長男にもこの遺伝子異常はみられていません。

※「告示」の下にあるダウンリストで選択してください。

もともと1978年にピット氏とホプキンス氏の二人が運動発達遅滞・知的障害・間欠的過呼吸・無呼吸発作などをの症例から発見したことから始まります。
正直、論文とかを読もうとしも、知らない単語や難しい表現ばかりでよくわかりませんが、2007年に18染色体に問題があることが発見され、続いて2009年にその中のTCF4という遺伝子が原因と同定されたということです。つまりまだ13年前に原因が特定されたばかりの疾患なのです。

もちろん同じ【ピット・ホプキンス症候群】といっても様々な症例がありますので、先述のような症例がすべてではありませんし、逆にすべての症例を抱えているわけでもありません。一人ひとり少しずつ違っているのです。

特徴的な外出的症例として、

  • 重度の精神発達遅滞
  • 自閉スペクトラム障害
  • 自傷などの行動異常
  • 出生後の成長障害
  • 小頭症
  • 覚醒時の息詰め・無呼吸に続く過換気
  • てんかんは40~50%
  • 斜視や乱視
  • 発語の遅延
  • 胃食道逆流・便秘など消化器症状
  • 小さな手と先細りの指

などの様々なものが報告されていますが、やはりこれも一人一人異なるようです。

私の次男は4歳ですが、今のところ『❶重度の発達障害』と『❻導眠時の呼吸障害』、『❽斜視や乱視』、『❾発語の遅延』が目立つ症例としてあります。

障害児の親としてできること

東京パラリンピックの開会式でパーソンズIPC会長が言った言葉として【We The 15キャンペーン』が印象的です。世界人口の15%、つまり12億人にあたる障害のある人や障害のある可能性のある人を数として可視化することを目的とした世界的な人権運動キャンペーンです。
きっとこの場合の障害とは、先天的なもの、後発的なもの、重度も軽度も、精神疾患、身体疾患、遺伝子疾患、他にもLGBTQをはじめとしたあらゆるものを指していると思いますが、100人に15人が何らかの障害を抱えているということに驚きを感じました。

いま日本の社会も【心のバリアフリー】として、障害を持った方々が一般社会の中で生きていけるように、少しずつ変革が起こっています。しかしそれでも偏見や差別がなくなることもなく、まだまだ続いてしまうことでしょう。さすがに『隔離』というような人権侵害的な動きはなくなったようですが。

法人従業員の2.3%(パーセンテージは企業規模による)以上を障害者を雇わなければならない、とした【障害者雇用促進法】があります。法定雇用率を下回る企業は障害者雇用納付金を収めることで、雇用しているものとみなされます。
また障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる(特例子会社制度)という制度もあるため、障害を持った方々でも働ける場所があるものです。
しかしピット・ホプキンス症候群に関しては発語をしない(発語をしたとしても片言が多い)ケースがみられるため、彼らは意思疎通も難しい場合があるので、それもどこまでできるものか不安です。

次男も一年半前に症状的診断として「ピット・ホプキンス症候群」と診断されていました。そして遺伝子検査(マイクロアレイ解析)の結果、先日、正式に診断となりました。これからは少しずつでもピット・ホプキンス症候群の社会的認知を上げて、息子が安心して暮らしていけるようにしていきたいと思うのです。
それは同時に社会全体が障害者を当たり前に暮らしていける世の中にしていきたい、ということなのです。

個人の活性化を組織の活性化に繋げます。

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