ソクラテス「無知の知」 #キャリア的視点 598

こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「無知の知」です。

【無知の知】
かの古代ギリシャの哲人ソクラテスの明言とされている言葉です。実際のソクラテスの言葉の真意はわかりません。彼の弟子が残した記録・文献を基に推測されたものに過ぎませんので。
しかしこの言葉は、私の座右の銘にも近いものがあります。

さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は2~4分です。

不知の自覚

哲人ソクラテスの考え方として有名なのが「無知の知」、または「不知の自覚」です。

神託により「ソクラテスより賢い者はいない」とされたことを確かめる為に、ソクラテスは「知識人」たちを訪ねて回ったといいます。現在で言うところの政治家や大企業経営者、富豪、大学の教授などが知識人に該当します。自分の知識や考え方に自信と責任を持っている方たち、という言い方もできるのかもしれません。

その知識人の専門分野に対して問答をする中で、ソクラテスは気付きました。

  • 知識を有しているとされる彼らは、自分自身に知恵があるとは思ってはいても、実際には知恵があるわけではないこと。実際は美しく、かつ立派なものを知っていると思い込んでいるに過ぎないこと
  • ソクラテスは自分が知らないことについて「それを知っている」とは思っていない限り、彼らより知恵があること。

ややこしいですね。

先の知識人たちは、ソクラテスの純真なまでの疑問・質問に答えられなかったというのです。ソクラテスの疑問に応えていく内にその話に整合性を保てなくなりました。その結果、その知識人は「(公衆の面前で)恥をかかされた!」と憤ったといいます。
ソクラテスとしては「自分に知恵があると思っている人物も完璧などではない」という事を確認する作業だったのでしょうが。

その結果ソクラテスは権力者の不評を買い、投獄され、弟子たちの手で脱出を促されたもののそれを断り、毒を飲んで自害した、といわれています。

傾聴の神髄

私がキャリアコンサルタントとして大切にしているのは、この無知の知にある『私は「自分が何も知らない」ことを知っている』という姿勢です。

私は相談者さんの悩み、考え方、これまでのキャリア、これからの展望、経済状況、等々これらの事は知り様がありません。相談者さんに教えて貰う事で初めて知ることになります。

さらに言えば、私も自分の専門や趣味などの興味領域に関してはそれなりに詳しい自信もあるのですが、相談者さんのそれとは異なっていてその分野に関しては何も知らないのです。

例えば、相談者さんがタクシードライバーだった場合、私はタクシードライバーの愉しさも苦悩も知りません。仮に知っていたとしてもそれは「私の感じる愉しさ、苦悩」であり、相談者さん個人のそれとは異なります。
だから聴くのです。そして訊くのです。

私はあなたの抱えている問題に関して、その事象も背景も知りません。でもあなたのお悩みを一緒に何とかしたい。良かったら教えていただけませんか?

基本的態度としての好意的関心に重ねて、慎重に丁寧に相談者さんの心に触れたいと思っています。

これは私の考える理想の傾聴です。その為の『無知の知』は、私にとって座右の銘であり、戒めでもあります。
これからも私は相談者さんとの会話に関しては、傾聴のスイッチを入れ無知の知を心がけていくことを誓います。

個人の活性化を組織の活性化に繋げます。

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