リストラという転機
キャリア的視点492
こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「リストラ」です。
リストラと聞いたとき、あまり良い印象を持たない方は比較的多くいらっしゃるのではないでしょうか? それは強制的に押し付けられた人生の転機であることが大きいですね。
今日はその転機を考えていきましょう。
さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は3~5分です。
リストラクチャリング(restructuring)
リストラと言うとあまり良い印象を持たれない方も多いと思います。この言葉と共に会社から希望しない異動や解雇を言われたかたも多いのではないでしょうか?
本来ならリストラとは、リストラクチャリング(restructuring)の略で「事業の再構築」を意味します。
- 人員削減による事業規模の縮小
- 複数ある営業所を一つにまとめる。
- 事業の撤退
これらを総称してリストラクチャリングと呼びます。日本では略してリストラと呼び、その認知されている意味は「人員削減」に限定されている場合がほとんどのようです。企業側からの解雇を良しとしない日本で人員削減というかなり衝撃的な印象を受けるので誤解も仕方がない話でありますが、本来は事業再編なのです。
その上で、今回は日本式リストラクチャリング→人員整理を考えていこうと思います。
転機に立ち向かう
今回のコロナショックでは多くの企業さんが事業の展開に歯止めを掛けられた感覚だったと思います。数多くの企業が倒産・解散をせざるを得なくなり、それに何十倍もの企業さんが事業再編を余儀なくされたようです。複数の営業所の統廃合が行われ、テナント料金や光熱費などの節約がされました。その過程で新事務所には通う事が叶わず、退職という選択肢を選んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
企業側にとっても苦渋の選択である「解雇」の事情も、解雇される側の従業員からしてみれば関係ありません。例えそれが「コロナ禍で…」などと事情は察知できても、コロナ禍だからこそ今解雇されるのは困るのです。もちろんコロナかでなくても解雇というのは困るしショックですね。
退職、転職というのは無論一つの転機であるのですが、それを会社側の都合でされた場合はどうなのでしょうか? 雇用保険の支給が翌月からという点では悪くは無いという見方もできるのでしょうが、本人の心証としては決して穏やかではありません。
- 安定していた生活が一転し、将来が想像できなくなった。
- 会社にとって要らない人間なのだと突きつけられた気がした。
他にもあるのでしょうが、感情的にはこうしたネガティブの要素の方がはるかに高いのです。
それでも人は立ち上がります。生活のため等いろいろな理由を挙げて立ち上がります。他人はネガティブな感情のままいることに慣れていません。いつまでもくよくよとしている訳にはいかないんです。
こうした転機を乗り越えるための理論があります。これを参考に考えていくと比較的早く転機を乗り越えることができるのではないでしょうか。ナンシー・シュロスバーグ氏の提唱した「トランジション理論」における支援のための枠組みとして「4Sシステム」がそれに当たります。
状況(Situation)
原因は何か
予期可能なことであったか
一次的なことなのか・継続的なことなのか
過去に経験したものか
前向きに捉えているか
自己(Self)
個人的特徴(性、年齢、健康状態、社会的地位等)
心理的資源(性格、価値観、信念・信条、行動様式等)
支援(Support)
身近の関係者(家族、親族、友人、上司、同僚等)
専門家、専門機関
戦略(Strategies)
状況を変える対応
認知・意味を変える対応
ストレスを解消する対応
※過去の記事はこちら
冷静に自分自身と置かれた状況を確認しましょう。それによって見えてくることは必ずあります。
そして早々に前を向きましょう。未来を考えましょう。
リストラの直後はまず「今」で良いのです。それが明日になり明後日になり、少しずつ少しずつその先を視ることができるようになれば良いのです。
これは人生におけるありとあらゆる転機(ネガティブなもの)に仕える方法です。リストラに限らずにどんどん活用していってください^^
個人の活性化を組織の活性化に繋げます。