計画的偶発性理論:プランド・ハプンスタンス・セオリー
キャリア的視点449
こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「偶然」です。
偶然に起こる出来事というのは、時に大きくキャリアに関わってくるのです。ではその偶然を自分でどう捉えていくのが、より良いキャリアを歩むヒントになるのでしょうか。アクティブに、アグレッシブに、偶然を捉えていきましょう。
さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は3~5分です。

Planned Happenstance Theory
計画的偶発性理論。キャリアの理論家、クランボルツが説いた理論です。
超要約すると「個人のキャリアの8割は、偶然の出来事によって決定される」などとも言われています。が、私個人の解釈を言えば、これは「キャリアプラン」「キャリアデザイン」と言った、自分の将来を意識している人たちの話ではないと思うのです。「0」とまでは言いませんけど^^;
私たちの「興味」「価値観」などといったものは、「好き」という感情に起因することが多いのです。その「好き」という感情に繋がることが多いのが「外的刺激」なんです。
「たまたま目にした宇宙飛行士に憧れて、JAXAを目指す様になりました」
「たまたま歩いていた街でスカウトされて、アイドルとして頑張っています」
こうした偶然からキャリアに繋がる話は数多く耳にする機会が多いのです。
「学校の先生が格好良くて、私も今、教員をやっています」
「入学したばかりの高校でしたが、なんか合わなくて、2ヶ月で辞めてしまいました」
これですらも偶然の要素は強いのです。たまたま格好良い先生に会えた。たまたま高校の同級生が嫌だった。後者では「もっと頑張れよ」という声も聞こえてきそうですが、ダメなものはダメなんです。ダメなものに時間を費やしていてもそれは非効率です。
実際に名先に挙げたものよりも、もっと細かい偶然で気付かない内に変わっていることの方が多い訳で、最終的には自分の意思であってもその発端は『偶然』であるケースがかなり多いのです。
キャリアプラン・キャリアデザインとは、「目的に向けた計画性を持って、数々の転機に存在する選択肢の中から、自分にとって都合の良いものを選び取ろう」というものです。だからこそ計画的偶発性理論とはキャリアプランやキャリアデザインができている人の話ではない、既にできるのだから、という結論に至っています。そしてこれは別の理論「プロティアンキャリア」と呼ばれるものです。
計画的偶発性理論とは「あえて明確なゴールを定めず、現在に焦点を置いてキャリアを考える」というものなんです^^
ニュートンはどうして万有引力の法則を創造できたのか?
「個人的な目的・目標というものを持たない」という話ではありませんが、私達が日常生活を送る中は様々な外的刺激に溢れています。
「何をしたいかという目的意識に固執すると、目の前に訪れた想定外のチャンスを見逃しかねない」
クランボルツ
として、時には「偶然」を受け入れることを推奨しているのです。偶然に頼るのではなく、偶然に起きた出来事を利用してやる、ということですね^^
計画的偶発性理論は以下の3つを大切な骨子としています。
- 予期せぬ出来事がキャリアを左右する
- 偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
- 何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える
さらに
- 好奇心:新しいことに興味を持ち続ける
- 持続性:失敗してもあきらめずに努力する
- 楽観性:何事もポジティブに考える
- 柔軟性:こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
- 冒険心:結果がわからなくても挑戦する
こうした心の持ちようで、偶然を待つのではなく、起きた偶然を取りに行く積極性に繋がるというのです。
偶然に起こる数々の出来事をただ眺めているのか、林檎が落ちたことで「万有引力の法則」を創造したアイザック・ニュートンになるのかは、普段のあなた次第なのです。
この計画的偶発性理論は、未だ将来の目標を設定していない、できていない人たちに向けた考え方だと思うのです。一人一人に合ったキャリアを描くために、様々な「在り方」を知っておくと便利ですよ^^
(参照・引用:Professional Recruitment Japan)
個人の活性化を組織の活性化に繋げます。
今回のタイトル画像には、偶然できる「ハロ現象」の写真を起用しました。
また文末に出したアイザック・ニュートンの手により、プリズムによって光の成分の分解である「虹」の解明されたという点も掛けています。