[自己効力感]自己肯定感の上げ方|本当に高めたいなら「自分ならできる」という自信を育てよう。

「自己肯定感を上げたい」

そう思ってインターネットで検索すると、
「自分を褒めましょう」
「ありのままの自分を受け入れましょう」
「ポジティブな言葉を使いましょう」
といったアドバイスが数多く見つかります。

しかし、それらを実践しても、
「一時的には前向きになれるものの、しばらくすると元に戻ってしまう」
と感じた経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

実は、それも無理はありません。
なぜなら、自己肯定感は直接高めようとして高まるものではなく、さまざまな経験や実感の積み重ねによって育まれる「結果」だからです。

私は企業研修や組織開発、就職支援など様々な現場で、多くのビジネスパーソンと関わってきました。その中で確信していることがあります。

それは、「自己肯定感が低い」と悩んでいる人の多くは、自分自身を認められないのではなく、自分の強みや積み重ねてきた経験に気付いていないだけだということです。

自己肯定感を高めたいのであれば、まず取り組むべきなのは「自己効力感」、つまり「自分ならできる」という感覚を育てることです。

目次

  1. 自己肯定感・自己効力感・自己有用感は、それぞれ役割が違う
  2. Will・Can・Mustで考えると、自信の重要性が見えてくる
  3. フロー理論が教えてくれる「自信」の大切さ
  4. 「できる自慢大会」
  5. 自信がない人は、「できない人」ではない
  6. 自己肯定感は、自信の積み重ねの先にある

自己肯定感・自己効力感・自己有用感は、それぞれ役割が違う

自己肯定感について語られるとき、自己効力感や自己有用感と混同されることがよくあります。しかし、この三つは似ているようで、それぞれ異なる意味を持っています。

  • 自己肯定感とは、「ありのままの自分を受け入れられる感覚」のことです。
  • 自己効力感とは、「自分ならできる」という自信です。
  • 自己有用感とは、「自分は誰かの役に立っている」という実感を指します。

この三つを家づくりに例えてみましょう。

自己肯定感は家そのものです。
しかし、その家は土台がしっかりしていなければ建ちません。

「自分にはできる」という自己効力感が安定した地盤である土地。
「自分は誰かの役に立っている」という自己有用感がどっしりとした基礎に該当します。

つまり、自己肯定感だけを高めようとしても、それを支える土台がなければ長続きしません。
だからこそ、最初に育てるべきなのは自己効力感からなのです。

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Will・Can・Mustで考えると、自信の重要性が見えてくる

私は研修の中で、Will・Can・Mustをそれぞれ「意欲」「自信」「貢献」と置き換えて説明しています。

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Will – Can – Must / @MIZUKAra

多くの人は、「やる気さえあれば何とかなる」と考えがちです。
しかし、実際には意欲だけでは人は動き続けることができません。

たとえば、
「もっと成果を出したい」
「新しい仕事に挑戦したい」
という強い意欲があったとしても、「自分にはできるだろうか」という自信がなければ、不安ばかりが大きくなります。

挑戦したい気持ちと、できる気がしないという現実との間で葛藤が生まれ、やがてストレスへと変わってしまうのです。

一方で、自分にはできるという感覚があれば、人は自然と挑戦するようになります。
そして挑戦が成功体験となり、その成功体験がさらに自信を育てるという好循環が生まれます。

やがて、その力が周囲への貢献につながることで自己有用感も高まり、その積み重ねが自己肯定感を支えていくのです。

この流れを考えると、Will・Can・Mustの中で最も優先して育てるべきものは、「Can=自信」であることが分かります。

フロー理論が教えてくれる「自信」の大切さ

心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱する「フロー理論」という考え方があります。

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人は、自分の能力と課題の難易度がちょうど釣り合っているときに、最も高い集中力を発揮し、充実感を得られる【フロー(没頭)】とされています。

逆に、自分の能力以上の課題ばかり(スキルレベル:低)に挑戦すると、不安や焦りを感じます。

ここで重要なのは、「意欲が高いかどうか」ではありません。

どれだけ挑戦したい気持ちがあっても、「自分ならできる」という感覚が伴っていなければ、その挑戦は苦しさの原因になってしまいます。

だから私は、「もっと頑張ろう」と自分を奮い立たせることよりも、「自分にはこれができる」という実感を一つずつ増やしていくことの方が、はるかに大切だと考えています。

まして即戦力を求める企業にとって、転職者の皆さんの「意欲だけ」では弱いのです。

「できる自慢大会」

自信を育てるために私が開発・実践しているワークの一つに、「できる自慢大会」というものがあります。

名前だけ聞くと、「自慢をするのは少し恥ずかしい」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、実際に取り組んでいただくと、多くの方が「自分にはこんなにできることがあったのですね」と驚かれます。

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最初に行うのは、自分の「できる」をできる限り書き出すことです。

仕事のスキルだけではありません。
約束を守れる。
人の話を最後まで聞ける。
調理ができる。
時間を守れる。
困っている人に声を掛けられる。
など、日常の中で当たり前にできていることも立派な「できる」です。

他人と比較する必要は全くありません。上には上がいますから、それを気にし出すとキリがありません。

書き出した「できる」を、研修の場合、ペアで自慢し合うのです。


次に、その一つひとつについて、「何故できるようになったのか」を振り返ります。

  • きっかけは何だったのか。
  • どのような努力や工夫をしてきたのか。
  • 誰かに評価された経験はあったのか。
  • そこからどんな学びや気付きがあったのか。

この四つの視点で振り返ると、「できる」という結果の裏側には、自分でも忘れていた努力や経験が積み重なっていることに気付きます。


最後に、それらを一枚のマスターシートとして整理します。

このシートは、自分の強みを一覧にしたものではありません。
「自分にはできる」という自信の根拠を可視化した、自分だけの財産です。

落ち込んだときや、新しい挑戦を前に不安になったとき、このシートを見返すだけで、「自分はここまで積み重ねてきた」という事実を思い出すことができます。

そしてこれは、転職者であれば、応募書類を書く上でのネタ帳になりますよ。

自信がない人は、「できない人」ではない

これまで数多くの受講者と接してきましたが、自信がない人ほど能力が低いということはありません。

むしろ逆で、周囲から高く評価されているにもかかわらず、自分ではそれを当たり前だと思い込み、自分の強みに気付いていない人を何人も見てきました。

自分自身の「当たり前」の中にこそ、自分の強みは隠れています。

人は、自分が苦労して身に付けたことも、時間が経てば当たり前になります。そして、その当たり前になったことほど、自分では価値が見えなくなってしまいます。

しかし、その「当たり前」は、他の誰かにとっては簡単にはできないことかもしれません。

自分で気付けない場合は、家族や友人に訊いてみましょう。案外あっさりと答えてくれるかもしれません。
事実私も、講師としての強み「声の大きさ・滑舌の良さ」などを友人に指摘してもらって初めて意識できました。

だからこそ、自信とは新しい能力を身に付けることで生まれるだけではなく、すでに持っている力に気付き、その価値を認めることでも育っていくのです。

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自己肯定感は、自信の積み重ねの先にある

自己肯定感を高めたいと思ったとき、多くの人は「もっと自分を好きにならなければ」と考えます。しかし、本当に必要なのは、自分を無理に好きになることではありません。

まずは、自分がこれまで積み重ねてきた「できる」に目を向け、その背景にある努力や経験を認めることです。
そうして育まれた自己効力感が、新しい挑戦を後押しし、その挑戦が誰かへの貢献につながることで自己有用感も高まります。

そして、その積み重ねの先に、自己肯定感は自然と育っていくのです。

自己肯定感は、無理につくるものではありません。
自分の歩んできた道のりを見つめ直し、「自分にはできる」という確かな実感を積み重ねた先に、静かに育っていくものなのです。

長年積み重ねてきたキャリアは、今でもみなさんの堅牢な土台としてそこにあるはずです。

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