あなたの期待が相手を変える? -ピグマリオン効果-
キャリア的視点471
こんにちは(^^) キャリアコンサルタントのひだです。今日のテーマは「期待」です。
私達は日ごろから何かにつけて期待をしています。
「今晩の夕飯は好きなものだといいなあ」
なんてものも期待のひとつです。
今日はそんな日常に溢れている期待に関して考えてみましょう。
さぁそれでは、日常に潜むキャリアの種を感じていきましょう。読了時間は3~5分です。
期待されると言うこと
ピグマリオン効果ってご存知ですか?人は他人から期待されると学習や作業などの成果が出やすくなる作用のことを言います。アメリカの心理学者、ローゼンタールが教師の期待によって生徒たちの学習成果に違いが出るという実験結果から「ローゼンタール効果」「教師期待効果」などとも呼ばれています。
これは教師と生徒に関係なく、リーダーとメンバー(上司と部下)、親と子でも同様の効果が期待できますね。
逆に「自分は誰からも期待をされていない」などと感じてしまうとその成績などは平均を下回る事にも繋がります。これを負のピグマリオン効果、ゴーレム効果と言います。いかに他人からの期待が私たちのモチベーションに大きく影響するのか、という話です。
ただしこのピグマリオン効果は、先は「実験の結果」とあったものの、実証されていない様です。
話を戻しますが、このピグマリオン効果はリーダーとメンバー、親と子などでも期待に対する成果という意味では充分に効果を期待できます。しかしもちろん、期待するだけでは意味がありません。
- 期待していることを伝える。
- 成果が出たときには、具体的に褒める。
最低限この2点は必要ですし、可能であれば、
- 期待に応えることで得られるであろう事象。
- 終わった後のフィードバック。
- 次の段階の期待。
これらもあった方がより効果が増すと考えられますね。ピグマリオン効果に関する詳しい解説はこちら。
私たちは「信頼する誰か」又は「自分にとって有益な誰か」から期待を込められると、その期待に応えようとする心理効果が働きます^^ 前者は純粋に、後者は打算的にではあるのでしょう。動機は別として不思議とやる気と効果は出るのです。
関係性が大切です
ピグマリオン効果が発揮されるためには条件があります。先にも書いたことではありますが、信頼関係や尊敬、自分にとって有益と判断できる何かが必要です。想像してみると分かるとは思いますが、どんなに期待をされても嫌いな人を喜ばさせるためだけに「頑張れる」人はまずいません。逆にあえて期待通りにいかせないために力をセーブしたり、失敗するようにしたりと「負のピグマリオン効果」になり得るのです。
言い換えれば「尊敬する上司」や「憧れの先輩」からの期待には多少の無理をしてでも応えたくなるのも心情です。そんな経験はありませんか?
もうひとつ注意して欲しい事もあります。
私達が期待を掛ける事自体は全く自由ですが、相手がそれに答えないといけない義務がない事をしっかりと理解しておくことです。要は期待した結果、『私』にとって満足の行く成果ではなかったとしても、それで文句を言ってはいけません、と言うことです。
全ては『あなた』と『私』の間に貼られている信頼というロープの太さや強度に由来するのです。
ピグマリオン効果というのは、褒めることに似ているとも言われます。誰かに期待をかけ、それをその誰かが達成した時には、信頼され尊敬される人は手放しに褒めてくれる方が本当に多いのです。『私たち』はそうされるとまた褒めて欲しくなって期待に応えようとするのです。
改めて、ピグマリオン効果というものは実証されているものではないそうです。でもその効果はたしかに有効なものであるように思います。皆さんがリーダーなら、メンバーに対して期待の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
個人の活性化を組織の活性化に繋げます。